#3 「おもてなし」の弊害について思うこと

日本の美徳といわれることが多い、「おもてなし」の精神。

 

Weblio辞書によると

おもてなしとは、心のこもった待遇のこと。顧客に対して心をこめて歓待や接待やサービスをすること

らしいです。

 

自分も素敵な文化だなぁと同意する点も多い一方で、かなり弊害もあるかなと。

心を込めてサービスをするのは結構だけれど、本来のそのサービスに想定されてる期待値を上回って当然、みたいな風潮が、かなり問題があると思ってます。

特に効率性の観点から見て。

 

欧米だったら、賃金以上の働きをした人には、チップという形で報いる方法があります。

だから、時給千円で働いてても、それ以上のチップをもらえるかも?ということでサービスの向上に努めるわけです。

期待以上の働きをすると、金銭という形で報われる。

とっても健康的な構図。

(まぁ現実は、チップの支払いはほぼ強制的のようだけど…)

 

一方、日本だと、そういう制度がないから、それ以上の報酬が見込めないのに、過剰にそれ以上の働きを求められる。

それに応えないと「無礼な奴だ」とさえ言われる勢い。

付加価値に応じてお金が発生する制度になれば、良いサービスはもっと高値で売れて、安く悪いサービスは淘汰される、という経済的に発展すると思うんですけど。

 

確かに自分が働く側であれば、貰うお金より価値を生み出してやろうと思うだろうし、

雇う側からしても、そういう人を出世させることは間違ない。

そういう心意気があることそれ自体は、たしかにおもてなしの文化として褒められるべき点があると思う。

 

けど、それが当たり前になるのはやはりよろしくないと思います。

ここらへんは、「お客様は神様だ」と客側が言ってはいけないのと同じですね。

 

サービスの提供者側がそのクオリティアップを追求するのは美しいことだけど、そのサービスを享受する側がそれを当然と要求するのは間違いである、という話。

 

貰った報酬に見合う最低限の仕事でも本来よいはずだし、それ以上の働きでもいいはず。

働き方は人それぞれであるべきだし、もしそれで何か不都合があったとしても、基本は人間お互い様なので、温かい目で見守りましょう、という話でした。